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飛騨産業の椅子

  • 執筆者の写真: 渡辺木工
    渡辺木工
  • 2月9日
  • 読了時間: 2分

椅子を持ち上げると脚が抜けてしまうとお問合せを頂いて御客様のご自宅まで伺いました


よく使い込まれたきつつきマークのウィンザーチェアです

裏返して脚をもってみると簡単に抜けてしまいました


抜けたところを触ってみると白い粉がぽろぽろ落ちてきます これは接着剤ですね






作業場に持込み、他の箇所を確認するとあちこち抜けかかっています


丁寧な作業で作られた椅子でも接着剤には寿命が有りますので年を重ねると自然とガタが出てきてしまいます  









普段は痛んでいる箇所だけの補修だけで済ますのですが、思い切って今回はすべて分解することにしました


部品毎に何がどこに付いていたのか分かるように番号をつけながら分解します









古い接着剤を削り落とした後、痛んだほぞにスチームを当てて膨らませます

(スチームなんて言いますが使っているのは濡れぞうきんと家で使うアイロンです・・・)


スカスカだったほぞ組がちょうど良い締り具合に回復します







準備が終わったら組み立てです


板にスポークや脚が直接差し込まれるウィンザータイプのいすは組立に注意が必要です

部材を差し込むときに強く叩きすぎると座面が割れてしまいます 特に座板が数枚の木をはぎ合わせて作られているものは部材を打ち込んだショックで矧ぎ合わせ箇所が剥がれてしまうこともあります


塗布した接着剤が少しでも乾くとほぞがきつくなってしまうので手早く進めます




スモーカーボウタイプというのでしょうか 背もたれが低めなので、数脚ならべても窮屈になることもなく落ち着いた雰囲気になりますね


このタイプの椅子の修理の御依頼を頂く御客様の多くが30年~40年くらい前にお求めになった様です なかには思い切って月賦で買ったとか転勤続きでも手放せなかったとか思い入れをお持ちの方も


この椅子もよい艶が出ているので丁寧に使われてきたのではと思います これからも永くお手元に! 




 
 
 

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