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飛騨産業のダイニングチェア

  • 執筆者の写真: 渡辺木工
    渡辺木工
  • 4月7日
  • 読了時間: 2分

板を削り出して形を整えた座板に数本の棒を差し込んで背もたれにしているウィンザータイプの椅子


木目の美しさを最も味わえるので、まさに木の椅子の代表ですね


この椅子の一番の見どころは木目の浮かび上がった座板ですが、1枚の板から作られているものは少数派で、ほとんどは何枚かの板を並べてはぎ合わせて作られます 長く使われるとその矧ぎ合わせ面が剥がれてしまう椅子が多い様です この椅子も剥がれた板の隙間から光が見えますね




先ず分解してみます


このタイプの椅子はラッカー塗装でしたが、お客様が後でお求めになった同じタイプの椅子は既にウレタン塗装になっていましたので、50年くらい前のものでしょうか 


当て木をしてハンマーでショックを加えると他の接合部も容易に外れました 時間が経って接着剤が粉のようになっていましたから接着強度もギリギリだったのでしょう




板同士が剥がれてしまった面に鉋をかけて合わせ目を隙間なく接着できるように整えます


今回は繋ぎ目がささくれだったりひびが入ったりすることもなくきれいに剥がれましたので鉋で3~4回の鉋掛けで済みました この後、剥がれ防止のために木で出来た小さな駒を継ぎ目に溝を掘って埋込み接着します







元の綺麗なラインが崩れないようにぴたりとあわせて接着します


クランプで締めすぎてへこみを作らないように当て木、クッションゴムを使いながら締め付けてゆっくり接着します










座面を接着し終えたら、合わせ目にできた僅かな段差を取り除いて、接着面を滑らかにするために曲面を削る鉋とスクレーパーを使って表面を整えてから最後に着色、塗装を済ませます 塗装が終わったらいよいよ組立です










形状から髪を整える”くし”を意味するコムという言葉を当てはめてコムバックチェアと呼ばれるタイプです


細いスピンドル数本で構成される背に補強として2本のスティックが入っていて、変化のある後ろ姿が綺麗な椅子です


全て木で作られているのですが意外と軽量で、すこし華奢に見えますが2本のスティックのおかげで背もたれはしっかり体重を支えてくれますので座り心地は最高です


使い込んだラッカー塗装の表面は沢山の思い出も抱えている様です これからも永くお使いになれますように


 
 
 

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