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ダイニングチェアの修理

  • 執筆者の写真: 渡辺木工
    渡辺木工
  • 3月30日
  • 読了時間: 2分


椅子のぐらつきは部品と部品の繋ぎ目が剥がれてしまうことから起きますが、ほとんどは時間が経って接着剤の効果が無くなってしまうためです


そこで一度バラバラにして接着剤を付け直して組み直すのですが、たまに外れてほしくないところで外れていることもあります


写真はフィンガージョイントという木と木を繋ぐ方法の一つです ギザギザにカットした材料同士を繋いでいるのですが、ここが剥がれてしまうとギザギザが細いのでガタついた時に折れてしまっていることが結構多いのです


そのフィンガージョイントの継ぎ目があるのが大きく半円を描く背もたれの一番上の部分 この椅子のデザインのハイライトになる部分です


ふつう部品同士を組み直すには鉄でできた圧締する道具(クランプとかハタガネと言います)を使って締め込むのですが、曲線を描く部品同士を締め付けるには使えません 今回はものを縛って動かないよう固定する時に使うラッシングベルトで組立してみます


まずは椅子を分解します




ラッシングベルト よく運送や引越の業者さんが使う道具ですね


直角ではない角度で部品が組まれることが多い椅子の修理には本当に便利です


一度に組み立てるとバランスがずれてしまう恐れがある時は左右に分けて組むなどパートごとに組み立ててから全体を組むように段階に分けて作業をします






背もたれの頂点が滑らかにつながる様にズレが起きないようにベルトを締めていきます


ズレたまま接着してしまうと元に戻せなくなるので注意が必要です 











ループした背もたれのラインが綺麗な椅子です 積層合板を使った背当てのデザインも素敵です いま主流のウレタン塗装ではなくラッカー塗装で仕上げられているのでひょっとしたら50年近くは経っているのではないでしょうか


最近よく思うのですが・・

いい椅子の条件は人によって様々ですが、修理がきちんとできる、というのも大切ではないでしょうか


ちゃんとした材料できちんと作ってあればよいのですが、そこがなかなか難しくなっているようです


ナラ材で作られたこの椅子もまだまだ長生きしそうですね

 
 
 

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