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コスガのダイニングチェア

  • 執筆者の写真: 渡辺木工
    渡辺木工
  • 3月9日
  • 読了時間: 2分

椅子にがたつきが出てしまったとお電話を頂きましたのでご自宅まで伺い見させて頂きましたところ、30年使い続けてきて愛着もお持ちなのでしょう 頑張って修理した跡がちらほら・・


長く使い慣れた椅子なので何とか修理して使いたいと修理をご用命頂きました お預かりして分解してみると部品同士の繋ぎ目が抜けかかっているだけでなく、”積層”と言って薄板を重ねて曲面を出している座枠が剥がれている状態でした


まず出来る限り分解してみます



分解し終えたら、お客様が修理した時の接着剤の痕を丁寧に剥がしていきます


木工用接着剤は水が主成分です、ですから水をはじく塗装面にはくっつきません なので剥がすのは簡単なのですが、剥がし残りが有ると再度接着剤を使って組み直す時に障害になります 手を抜かず全て剥がします






積層が剥がれて隙間が出来てしまった座枠は丁寧に1枚1枚剥がしてから積層用の接着剤を使って張り直します











貼り合わせてから塗布した接着剤がはみでてくるまで締め付けて完全に乾くまでゆっくり静置します


曲げた板が元に戻ろうとする力はものすごく強いものです


慌てて圧締具を外してしまうと剥がれてしまうのでじっくり時間をかけて接着します






最後にひとつずつ掃除して調整し終えた部品を組み立てます


ガタが出て時間が経っているので全体に歪みが出ています

組みあがった時に歪みが残ってしまわないように少し修正を加えながら接着剤が乾くのを待ちます








少し座面が低く作られているので、座ると何とも言えないゆったりした気持ちになれます


現在はダイニングチェアといえば座面の高さが40cm~44cm位のものが多いのですが、30年前当時はまだ38cm前後のものがよく見られました 

通勤通学から帰ってきて家族で食卓を囲む時、この少し低めの椅子に座ると”家に帰ってきたな”という気持ちにさせてくれます


お客様がご自分で張り直した座面の生地の柄も椅子によく合っていますね どうか永くお手元に置いて頂きたいです

 
 
 

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