カリモク ドマーニの修理
- 渡辺木工
- 2月16日
- 読了時間: 2分

椅子の修理で一番多いのは後脚と座枠の木組みが抜けてグラつくことです
これはどんな椅子でもいつかは不具合がくるところですからもしグラつきが出てしまったとしても”分解して修理することに耐えられようにオスメスのジョイントを丈夫に作ってあることが大切です(外から見ただけでは全く分からないのですが・・)
その点ではカリモク製の椅子はしっかり作られていますので安心ですね

分解する時は傷が付きにくいように部品のジョイント部分に当て木を当てハンマーでショックを与えて少しずつ抜くのですが、丈夫に作っていないと割れてしまうこともあります
良い材料を適切に使っているかどうかが寿命に大きく関わる訳です
それにこの椅子は木組みに釘を使っていないので割れが発生しにくく、修理するのに大切なポイントです

今回も分解した後は古い接着剤を丁寧に削り取り組み直します
組み直すときは”ハタガネ”だとか”クランプ”などという圧締具を使いますが、鋳物で出来ていてかなり強い力が掛かるので傷やへこみが出来ないようにするため椅子のラインに合わせて角材やゴムで型を作り、それを当ててから締めていきます

写真にある三角の部品は”角木(すみぎ)”という部品です
大抵の木製椅子で使われている部品ですが脚1本に一つ使われます
これがすき間なくぴったり接合されているかどうかが椅子の剛性に重要なポイントです
鉋、ベルトサンダーなどの道具を使い隙間なく取り付けられるように調整してから接着、ねじ止めします

組みあがったら座面を取り付けて完成です
籐張の背もたれと大きく弧を描く後脚、座枠と同じラインを描く貫、美しいデザインの椅子です 永くお手元に置いて頂きたいですね
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